その「エコ常識」が環境を破壊する。 [社会・環境問題]
こんにちは~ (*^_^*)/
皆さんは環境に良いことをやっていますか? 地球はかけがえのない星です。毎日、地球に優しい生活を心がけましょう。
などと、バングラデシュの人たちの千倍もの給与を貰い、ハイチの人たちの百倍もエネルギーを浪費しているキャスターやコメンテイターが、したり顔でテレビから言っていますね。
梧桐は熱力学研究室でフロンの物性の研究をしていましたので、環境問題は専門の一つです。
人間は、エネルギーを消費して生きています。
図のように、寿命が長くなるほど消費するエネルギーは多くなるのです。
食料を世界中からエネルギーを使って集め、病気になればエネルギーを使って清潔に保たれた病院でエネルギーを使って治療を受ける。夜活動したり、遠くへ移動することも、全てエネルギーが余分に必要になることです。このブログを書くことも・・・
便利な生活,清潔な生活,安全な生活は全て、 環境負荷が大きいのです。
本当に「エコロジー」を考えるなら、ペットボトル入りの飲料水を飲むのは止めて、水道水を飲むべきなのです。環境負荷が大きなペットボトルの飲料を飲みながら、ペットボトルのリサイクルに精を出したところで、環境負荷が小さくなるわけではありません。逆に、使用済みのペットボトルを改修する作業,仕分けする作業,洗浄する作業にエネルギーを費やして更に環境負荷を高めます。
「ペットボトルのリサイクルは本当に環境に優しいのか?」という疑問に、科学的に一つの答えを出しているのが
武田邦彦教授の一連の著書です。
既刊のものに
・『リサイクルしてはいけない』 書評 比較的冷静な批評
・『偽善エコロジー』 読感 批判
・『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』 読感
・『つくられた「環境問題」』 読感 紹介
・『科学者が読み解く環境問題』 読感
などがありますね。
それぞれの書評や読書感想,批評・批判は、リンク先をご覧下さい。
梧桐の専攻分野とも重なる箇所がいくつかあって、いくつか疑問に思うところもありますが、おおむね武田邦彦氏の考えに賛同します。
wikiなどでは武田邦彦氏の考えは否定的に記載されていますが、揚げ足取り的な批判が多く、大局的な「リサイクルは環境負荷の観点から考えて本当にエコロジーに適うのか否か」の視点が欠けているように思われます。
例えば、あるテレビ番組で「プラスチック製品を熱分解して液体の油分を取りだし自動車の燃料にする」機械について、好意的に「エコ」の鏡のような扱い方をしていました。が、プラスチックを熱分解するのに使用する電気エネルギーとのエネルギー収支はどうなのかというデータは、ついに語られませんでした。「プラスチックを加熱するのに使った電気エネルギー(火力発電の場合はその発電に使った石油から取り出せるエネルギー)」+「そのまま可燃ゴミとして燃焼させた時に取り出せるエネルギー」よりも、大きなエネルギーが生成した油分から取り出せなければ、石油の消費量はリサイクルによって増えたことになります。
リサイクル運動にエネルギー収支という観点がないから、生ゴミを乾燥させて固形燃料をつくるリサイクル(廃棄物固形燃料)を試みるようなお馬鹿な自治体が続出するのです。
三重県の固形燃料製造プラントは、化学などの学会からは冷笑されたほどの事例(月刊 化学 もしくは現代化学などに掲載)で、なんと生ゴミを乾燥させるのに、プラントで製造した固形燃料でなく石油を使っていたのですから驚きです。
生ゴミを固形燃料にする工程にさえ使えないような質の悪い固形燃料を、「リサイクル」の名の下に石油を使ってつくっていたのですから、まさに資源と税金の無駄遣いとしてか言いようがありませんね。頭脳のない善意は、悪意よりもタチが悪いものです。
もはや「限りある資源を有効に使う」ためではなく、単に「リサイクル教の教義に従っている」だけです。それとも、エネルギー収支も採算も度外視の役人の老後を支える外郭団体を増やす口実でしょうか?
こんな計画を考えるお役人もしくは議員に言いたい。
「あなたが何も考えないことが、最高のエコです」
さて、表題の『その「エコ常識」が環境を破壊する。』です。
この本は2000年に出版された『リサイクルしてはいけない』に新たな情報や現在との対比も加えた改訂版です。武田邦彦氏の本の文体の特徴は、この手の批判本にありがちな「相手をやり込めて論破する」的な攻撃的な部分がほとんど無いところです。ま、内容的には極論と思える部分もありますが・・・
まぁ、理系の大学教授であるからかも知れませんが抑制の効いた書き方で、彼を批判する人びとの文章のような声高な攻撃性がないところが、説得力を持っていると思います。
「リサイクル」を推進するくらいなら、
・環境負荷の大きいペットボトル飲料水を飲まずに、水道水を飲む。
・森林や水源を破壊し多量の殺虫剤を使うゴルフ場へ行くのは止めて、 都市部にある打ちっ放しだけで我慢する(国内の場合)。
・高くても国産のものを買う。
・エネルギー収支をデータに基づいて計算してからリサイクルすべきかどうか考える。
・ゴミの焼却炉で燃焼熱を有効に(例えば発電とか)使えるようにする。
・金属はまとめて回収してリサイクルした方がよい。
・・・・・ 等々
ちなみに、某横浜市では、分別ゴミを市民が徹底してやった結果、生ゴミなどの焼却にカロリーが足らなくて石油を足して燃やしたという事実があります。何のための分別なんでしょうね?
皆さんは環境に良いことをやっていますか? 地球はかけがえのない星です。毎日、地球に優しい生活を心がけましょう。
などと、バングラデシュの人たちの千倍もの給与を貰い、ハイチの人たちの百倍もエネルギーを浪費しているキャスターやコメンテイターが、したり顔でテレビから言っていますね。
梧桐は熱力学研究室でフロンの物性の研究をしていましたので、環境問題は専門の一つです。
人間は、エネルギーを消費して生きています。
図のように、寿命が長くなるほど消費するエネルギーは多くなるのです。
食料を世界中からエネルギーを使って集め、病気になればエネルギーを使って清潔に保たれた病院でエネルギーを使って治療を受ける。夜活動したり、遠くへ移動することも、全てエネルギーが余分に必要になることです。このブログを書くことも・・・
便利な生活,清潔な生活,安全な生活は全て、 環境負荷が大きいのです。
本当に「エコロジー」を考えるなら、ペットボトル入りの飲料水を飲むのは止めて、水道水を飲むべきなのです。環境負荷が大きなペットボトルの飲料を飲みながら、ペットボトルのリサイクルに精を出したところで、環境負荷が小さくなるわけではありません。逆に、使用済みのペットボトルを改修する作業,仕分けする作業,洗浄する作業にエネルギーを費やして更に環境負荷を高めます。
「ペットボトルのリサイクルは本当に環境に優しいのか?」という疑問に、科学的に一つの答えを出しているのが
武田邦彦教授の一連の著書です。
既刊のものに
・『リサイクルしてはいけない』 書評 比較的冷静な批評
・『偽善エコロジー』 読感 批判
・『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』 読感
・『つくられた「環境問題」』 読感 紹介
・『科学者が読み解く環境問題』 読感
などがありますね。
それぞれの書評や読書感想,批評・批判は、リンク先をご覧下さい。
梧桐の専攻分野とも重なる箇所がいくつかあって、いくつか疑問に思うところもありますが、おおむね武田邦彦氏の考えに賛同します。
wikiなどでは武田邦彦氏の考えは否定的に記載されていますが、揚げ足取り的な批判が多く、大局的な「リサイクルは環境負荷の観点から考えて本当にエコロジーに適うのか否か」の視点が欠けているように思われます。
例えば、あるテレビ番組で「プラスチック製品を熱分解して液体の油分を取りだし自動車の燃料にする」機械について、好意的に「エコ」の鏡のような扱い方をしていました。が、プラスチックを熱分解するのに使用する電気エネルギーとのエネルギー収支はどうなのかというデータは、ついに語られませんでした。「プラスチックを加熱するのに使った電気エネルギー(火力発電の場合はその発電に使った石油から取り出せるエネルギー)」+「そのまま可燃ゴミとして燃焼させた時に取り出せるエネルギー」よりも、大きなエネルギーが生成した油分から取り出せなければ、石油の消費量はリサイクルによって増えたことになります。
リサイクル運動にエネルギー収支という観点がないから、生ゴミを乾燥させて固形燃料をつくるリサイクル(廃棄物固形燃料)を試みるようなお馬鹿な自治体が続出するのです。
三重県の固形燃料製造プラントは、化学などの学会からは冷笑されたほどの事例(月刊 化学 もしくは現代化学などに掲載)で、なんと生ゴミを乾燥させるのに、プラントで製造した固形燃料でなく石油を使っていたのですから驚きです。
生ゴミを固形燃料にする工程にさえ使えないような質の悪い固形燃料を、「リサイクル」の名の下に石油を使ってつくっていたのですから、まさに資源と税金の無駄遣いとしてか言いようがありませんね。頭脳のない善意は、悪意よりもタチが悪いものです。
もはや「限りある資源を有効に使う」ためではなく、単に「リサイクル教の教義に従っている」だけです。それとも、エネルギー収支も採算も度外視の役人の老後を支える外郭団体を増やす口実でしょうか?
こんな計画を考えるお役人もしくは議員に言いたい。
「あなたが何も考えないことが、最高のエコです」
さて、表題の『その「エコ常識」が環境を破壊する。』です。
この本は2000年に出版された『リサイクルしてはいけない』に新たな情報や現在との対比も加えた改訂版です。武田邦彦氏の本の文体の特徴は、この手の批判本にありがちな「相手をやり込めて論破する」的な攻撃的な部分がほとんど無いところです。ま、内容的には極論と思える部分もありますが・・・
まぁ、理系の大学教授であるからかも知れませんが抑制の効いた書き方で、彼を批判する人びとの文章のような声高な攻撃性がないところが、説得力を持っていると思います。
「リサイクル」を推進するくらいなら、
・環境負荷の大きいペットボトル飲料水を飲まずに、水道水を飲む。
・森林や水源を破壊し多量の殺虫剤を使うゴルフ場へ行くのは止めて、 都市部にある打ちっ放しだけで我慢する(国内の場合)。
・高くても国産のものを買う。
・エネルギー収支をデータに基づいて計算してからリサイクルすべきかどうか考える。
・ゴミの焼却炉で燃焼熱を有効に(例えば発電とか)使えるようにする。
・金属はまとめて回収してリサイクルした方がよい。
・・・・・ 等々
ちなみに、某横浜市では、分別ゴミを市民が徹底してやった結果、生ゴミなどの焼却にカロリーが足らなくて石油を足して燃やしたという事実があります。何のための分別なんでしょうね?
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