スルファニル酸 [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
本日の入試問題から、
p-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を取り上げてみます。
本文:
「ベンゼンを濃硫酸と濃硝酸存在下で加熱して得られた生成物を、ニッケルを触媒として還元して化合物Aを得た。さらに化合物Aに濃硫酸を加えて加熱することにより、二置換芳香族化合物であるスルファニル酸を合成した。次に(ア)スルファニル酸を水に溶解させた後、氷水中で冷やしながら塩酸と化合物Bを加えて反応させ、ジアゾ化合物を得た。その後、このジアゾ化合物に塩酸酸性条件下でジメチルアニリンを冷やしながら加え、かくはんすると赤色の沈澱が析出した。最後に、そこに水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、(イ)オレンジ色の化合物を得た。」
もちろん、
「ベンゼンを混酸でニトロ化して生じた生成物」は「ニトロベンゼン」であり、
「ニトロベンゼンを還元して生成した化合物A」は「アニリン」ですね。
「アニリンを濃硫酸でスルホン化」して生じたのが「スルファニル酸(p-アミのベンゼンスルホン酸)」です。「二置換体」との記述があるので、スルホン酸基とアミノ基が独立して別個にベンゼン環に付いていることがわかると思います。
ちなみに、「アミノベンゼンスルホン酸(アニリンスルホン酸)」には、o(オルト),m(メタ),p(パラ)の3つ異性体があり、それぞれ「オルタニル酸」「メタニル酸」「スルファニル酸」という固有名詞があります。
塩基性基のアミノ基と強酸性基のスルホン酸基を持つアミノ酸の一種なのに、いずれも冷水に溶けにくく、炭酸ナトリウムを加えてナトリウム塩にして水に溶かすのが一般的です。
この問題でも、
「スルファニル酸は水にほとんど溶解しないため、下線部(ア)の操作を行うためにはある化合物を添加する必要がある。添加する化合物とその際に発生する気体の組み合わせとして正しいものはどれか」
という設問がありました。
スルファニル酸は、抗菌剤の一つであるサルファ剤の原料にもなる物質です。
サルファ剤の一つのスルファニルアミドは、
「アニリンに無水酢酸を作用させてアセチル化」して「アセトアニリド」にし、
「アセトアニリドをスルホン化剤でスルホン化」したのち
「アンモニアをスルホン酸基にくっつけ-SO2NH2」とし、
最後に「希塩酸と加熱してアセチル基を外す」と生成します。
さて、
「スルファニル酸に化合物Bを作用させてジアゾ化」するのですから、
化合物Bは亜硝酸ナトリウムです。
「ジアゾ化合物をジメチルアニリンとカップリング(アゾ連結)」して生じる下線部(イ)の
オレンジ色の化合物は、アゾ色素の「メチルオレンジ」です。
そう、この実験は「メチルオレンジの合成」だったんですね。
メチルオレンジは、pHにより中央のアゾ基が水素イオンとくっついて塩基性色(黄)から酸性色(赤)へと変化します。
入試問題では、最近、スルファニル酸の出題頻度が増えていますので、その構造と反応を覚えておくと良いでしょう。
本日の入試問題から、
p-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を取り上げてみます。
本文:
「ベンゼンを濃硫酸と濃硝酸存在下で加熱して得られた生成物を、ニッケルを触媒として還元して化合物Aを得た。さらに化合物Aに濃硫酸を加えて加熱することにより、二置換芳香族化合物であるスルファニル酸を合成した。次に(ア)スルファニル酸を水に溶解させた後、氷水中で冷やしながら塩酸と化合物Bを加えて反応させ、ジアゾ化合物を得た。その後、このジアゾ化合物に塩酸酸性条件下でジメチルアニリンを冷やしながら加え、かくはんすると赤色の沈澱が析出した。最後に、そこに水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、(イ)オレンジ色の化合物を得た。」
もちろん、
「ベンゼンを混酸でニトロ化して生じた生成物」は「ニトロベンゼン」であり、
「ニトロベンゼンを還元して生成した化合物A」は「アニリン」ですね。
「アニリンを濃硫酸でスルホン化」して生じたのが「スルファニル酸(p-アミのベンゼンスルホン酸)」です。「二置換体」との記述があるので、スルホン酸基とアミノ基が独立して別個にベンゼン環に付いていることがわかると思います。
ちなみに、「アミノベンゼンスルホン酸(アニリンスルホン酸)」には、o(オルト),m(メタ),p(パラ)の3つ異性体があり、それぞれ「オルタニル酸」「メタニル酸」「スルファニル酸」という固有名詞があります。
塩基性基のアミノ基と強酸性基のスルホン酸基を持つアミノ酸の一種なのに、いずれも冷水に溶けにくく、炭酸ナトリウムを加えてナトリウム塩にして水に溶かすのが一般的です。
この問題でも、
「スルファニル酸は水にほとんど溶解しないため、下線部(ア)の操作を行うためにはある化合物を添加する必要がある。添加する化合物とその際に発生する気体の組み合わせとして正しいものはどれか」
という設問がありました。
スルファニル酸は、抗菌剤の一つであるサルファ剤の原料にもなる物質です。
サルファ剤の一つのスルファニルアミドは、
「アニリンに無水酢酸を作用させてアセチル化」して「アセトアニリド」にし、
「アセトアニリドをスルホン化剤でスルホン化」したのち
「アンモニアをスルホン酸基にくっつけ-SO2NH2」とし、
最後に「希塩酸と加熱してアセチル基を外す」と生成します。
さて、
「スルファニル酸に化合物Bを作用させてジアゾ化」するのですから、
化合物Bは亜硝酸ナトリウムです。
「ジアゾ化合物をジメチルアニリンとカップリング(アゾ連結)」して生じる下線部(イ)の
オレンジ色の化合物は、アゾ色素の「メチルオレンジ」です。
そう、この実験は「メチルオレンジの合成」だったんですね。
メチルオレンジは、pHにより中央のアゾ基が水素イオンとくっついて塩基性色(黄)から酸性色(赤)へと変化します。
入試問題では、最近、スルファニル酸の出題頻度が増えていますので、その構造と反応を覚えておくと良いでしょう。
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