借金してまで子ども手当を出すのなら、科研費をもっと増やすべきでしょう [社会・環境問題]
こんにちは~ (*^_^*)/
第2次世界大戦(太平洋戦争)直後の1946年度以来、初めて借金が税収を上回る異常事態(税収37兆円に対して国債発行が44兆円台)事態になりますが、またぞろ選挙目当ての事業仕分けもどきをやろうとしていますね。
首相が理系出身の筈なのに、科学技術予算に厳しい鳩山政権。虐げられる科研費について、関連記事を新聞記事からピックアップしました。
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学術の世界では米国と日本は対照的だ。例えば研究助成金の配分について、アメリカ国立科学財団(NSF)のグラント(補助金)と日本の文科省科学研究費助成金を 比べると、その力点の違いがわかる。
NSFのグラントは、科学、工学、社会科学をカバーする、年間 60億ドル(約6千億円)という膨大な額の研究費である(医学系統は別枠)。額の大きさもたいしたものだが、その配分方法に、若手研究者を育てようという 強い意識が読み取れる。
博士号を取得した若手研究者は、米国では多くの場合、 主任研究員(PI)のグラントで助成される。一人前の独立した研究者とし て、かなり大きな研究プロジェクトの助成対象者となるのである。ボス教授の研究テーマの研究費を一部「頂戴(ちょうだい)する」というような形は主流では ない。
博士以前の大学院生のリサーチ・アシスタント(RA)というポストも、かなりの数にのぼり、ある程度の力が認められれば、最低限の 生活費も保証される。日本の科学研究費助成金からはRAへの支出は行いにくい。
つまり若手がより自由な研究を行える環境が経済的にも人格面でも米国では整備されているのだ。こうした若い力を生かそうとする国の研究活動が活発になるのは当然であろう。昨秋のいわゆる「仕分け作業」で「若い大学院生や研究者に生活保護的な給付をする必要はない」という発言があっ た。なんという視野の狭い、短期的発想だろうか。
若手を何とか経済的に、そして人格面でも独立させようというスタイルが、米国では「大学 院教育への意欲」ともうまく結びついている。将来性のある学生を見つけ出し、自分の(研究テーマではなく)研究分野に引き込み、力を発揮させると、自分の 研究テーマの質自体も高まるということを先生は知っているのだ。
米国方式が、優れた独立心の強い若手研究者を生みだし、科学研究を促進さ せる力があることは疑い得ない。米国の優れた若い研究者は自分の責任のもとでの、成功と失敗のチャンスを与えられているのである。
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文化系学部出身の仕分け人には、研究がどれだけ金のかかるものか分からないのでしょう。マスコミも文系出身が多い為、科学研究費を削る事を批判する記事は少ないですね。こんな記事も・・・
◇30億から1億円に 中性子を活用したがん治療研究施設として県が筑波大や東京大とともに推進してきた「いばらき量子ビーム医学利用研究センター」(東海村)に対し、ハコモ ノ建設の削減を図る鳩山政権が「成果が出るのに時間がかかる」とクレームをつけ、計画存続自体の雲行きが怪しくなってきた。事業主体となる独立行政法人 「科学技術振興機構(JST)」は4日、当初30億円が見込まれた予算を最終的には1億円まで削ると通告。県は推進する2大学と協議に入り、計画中止も含 め根本的な見直しを余儀なくされた。 同センターは、自民党政権下の緊急経済対策「地域産学官共同研究拠点整備事業」の一つ。政権交代後の10月、文部科学省は事業費695億円のうち432 億円を削減する方針を提示。全国45施設が対象となり、存続の危機を感じた県は同センター予算を18億円に減額し再申請した。 同センターでは、小型加速器の中性子源を用いたがん治療を研究する計画。現在、中性子を用いたがん治療は研究用原子炉がないと行えない。 県科学技術振興課は「1億円で何ができるのか」と戸惑いを隠せない。東海村は「原子炉があるからこそ建設できる。中断は国の損失となる」と話す。 JSTによると、ほぼ希望通りの金額が下りるのは全国で28施設のみ。同センターについて、「研究自体は否定しないが、目的であるはずの地域活性化とは 言えない」と話している。【山内真弓】 中性子がん治療研究施設:予算削減で存続危機 計画中止含め検討 /茨城 - 毎日jp(なぜか毎日新聞のHPにはこの記事がありませんでした)
化学の父ラボアジェが研究費を稼ぐ為に徴税請負人になって、フランス革命で断頭台の露と消えたように、理化学系の研究には機材も含め莫大なお金が必要なのです。例えば、梧桐のいた研究室でフロンの基礎物性の測定に使っていた直示天秤は1台で600万円だったし、温度計は白金抵抗測温体とセットで300万円、圧力計は1個で2000万円でした。当時は代替フロンの実用化が急務で、東電や東芝やダイキンから研究費がたくさん出ていましたが、今の小鳩政権は農家補助金や子ども手当のように票田に直結することにだけお金を回しますから、近視眼的には成果が見えてこない基礎研究にはお金がまわってこなくなっています
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