緑藻から燃料 [環境問題]
こんにちは~ (*^_^*)/
石油に替わるバイオ燃料として、バイオエタノールなどが入試問題でも採り上げられていますね。今年の聖マリでは「カーボンニュートラル」を説明させる問題が出題されていました。
トウモロコシやサトウキビなどを原料とする現在のバイオ燃料(バイオエタノール)は食糧需要と競合して食料価格の高騰を招くだけでなく、耕作地の拡大により森林が破壊されるなどの問題点があります。 さらに製造過程で大量の石油燃料を使っており、厳密にはカーボンニュートラルとはとても言えません。
さて、天然ガス・石油と地下生物圏の関わりで紹介されているように、天然ガスや石油も生物由来なので、長い地球の歴史の中ではカーボンニュートラルと言えなくもありません (´∀`)
1.微生物による天然ガスの生産
・可燃性天然ガス = 主成分はメタン
① 油母(kerogenケロジェン)や石油が地熱で分解して生じる,熱分解起源の天然ガス
② 微生物由来の微生物起源の天然ガス の2種類があります。
②は、メタン以外の炭化水素成分の濃度が低く、メタンの炭素同位体(13C)の存在比が低いという特徴がある。有機物(分子量の大きいリグニン,脂質,タンパク質,炭水化物など)が嫌気性微生物により徐々に分解され、最後にメタン生成 菌によって酢酸,あるいは水素と二酸化炭素からメタンが生成され、世界の天然ガス資源の20%程度を占めるといわれています。メタンハイドレートも、微生物起源のメタンの寄与が大きいようです。
2.微生物による石油の生産
石油は油母(kerogenケロジェン)や瀝青(ビチュメン)が地熱の作用で熱分解して生じており、微生物由来の石油は現時点では確認されていないと言われています。もっとも、油母(kerogenケロジェン)や瀝青(ビチュメン)自体は生物に由来すると考えて良いと思われますが・・・・
さて、藻類は穀物等と異なり食糧需要と競合しませんし、広大な耕作地も不要ですから、新たなバイオ燃料の候補として有望視されています。米国では藻類から作った燃料でジェット機を飛ばすことに成功しました。日本でも、筑波大学などで研究が進んでいるようです。
【知の先端】筑波大大学院教授・渡邉信さん 緑藻からバイオ燃料
筑波大大学院の渡邉信教授は、光合成で重油とほぼ 同じ性質の炭化水素をつくる「ボトリオコッカス」という緑藻に着目し、燃料量産技術の実用化を目指す。 ボトリオコッカスがつくる高分子の炭化水素は、性質が重油とほぼ同じで、抽出方法は培養 した藻を搾るだけ。渡邉教授は「重油に相当する炭化水素からは、石油化学工業で利用するナフサや軽油、ガソリンが簡単 につくれる。既存の施設は、そのまま使える」と利点を挙げる。課題は生産性の向上による低コスト化だが、「将来、日本が産油国になることも可能だ」という。
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優柔不断の無責任小鳩政権ですが、「二酸化炭素25%削減」なんて目標をぶち上げている以上、食料を原料とするバイオ燃料よりはるかに環境と人に優しい研究に研究費を投じて全面的にバックアップするくらいのことはしてもらいたいですね。もっとも、「二 酸化炭素25%削減」より、「オリンピック狙う片手間にやっても勤まる国会議員25%削減」の方が日本の発展にとっては役に立つと思いますよ。
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- 天然ガスを生み出している微生物、身近な菌類を紹介しています。ちなみに、石油についてはこんなHP(それゆけ!石油探検 隊 )があります。
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