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感染症には過剰な対策こそ有効 [環境問題]

こんにちは~ (*^_^*)/

2009年のインフルエンザに対する政府の過剰な対策がマスコミから非難されましたが、過剰な対応こそ大流行を不斉だと考えられます。事前に対策を立て、的確に処置した場合、当然被害が少なくなります。それは対策が功を奏したのであって、マスコミのように成功した対策を素人が浅知恵で批判すること自体、適切な対策を取ることができないように手足を縛るものであり、そのツケは結局、我々国民に帰ってくるのです。

----------------------------------(産経新聞2010.5.26)

【正論】新渡戸文化短期大学学長・中原英臣 新型インフル対策の教訓は重い

 昨年の4月、メキシコで確認された新型インフルエンザが日本に上陸して1年が過ぎた。一時はパニックになりかけた全国的な 流行も下火になり、現時点では沈静化していることを受けて、厚生労働省は先ごろ、新型インフルエンザの流行の終息宣言を出した。

 今回のイ ンフルエンザは豚に由来する新型(H1N1)だったが、それまで多くの専門家が予測していたのは、より強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1)から発生するも のだった。そのため政府は、強毒性を想定して行動計画を立てていた。

 ≪強力な封じ込めが奏功≫

 政府が昨年、日本での新型インフルエンザの発生を宣言すると同時に、それを極力封じ込める作戦を実行に移したのは、そうした背景がある。それは、強毒性の新型インフルエンザの発生を想定した行動計画だった。そのため、自治体に対しては、感染者が1人でも出た時点で都道府県単位で学校を閉鎖したり、集会の中止などを要請することを決 めた。

 こうした厳しい措置に多くの自治体から苦情が噴出したことを受け、政府は5月下旬になると、休校の判断も自治体に任せるといったよ うに封じ込め対策を段階的に緩める方向に切り替えた。

 今回の新型インフルエンザ対応は過剰反応だった可能性があるという批判の声もある。 だが、少なくとも、その対策によって一定の時間を稼ぎ、その間に多くの対策を講じることができたというのも事実である。

 インフルエンザが流行しなかったと仮定した場合の死者数と流行時の死者数を比較することでインフルエンザによる死亡数を推計する「超過死亡」という調査がある。季節性イン フルエンザの超過死亡は例年1万人程度である

 季節性でさえこうしたことなのだから、性質のはっきりしない段階での新型インフルエンザに 対してできる限りの対策をとるのは政府として当然のことである。

 ≪米国の26分の1の死亡率≫

 つまり、過剰だったという 批判もあった日本の新型インフルエンザ対策だが、逆に、そのために被害が最小限にとどめられた。厚生労働省の発表によると、この1年間に新型インフルエン ザに感染して死亡した人は198人だった。それに対しアメリカでは推定で1万2000人が死亡したといわれている

 新型の毒性が季節性に 比べて低かったことを意味するという専門家もいるが、10万人当たり死亡率をみると、日本の少なさがはっきりする。日本の0・15人に対してアメリカは 3・96人である。その他の国をみてもカナダが1・32人、メキシコが1・05人という数字だった。集計方法が異なるという事情はあるにしても、アメリカ の死亡率は日本の26倍ということをみても、日本の対策が成功したといってもいいと思われる。

 医学の進歩によって、インフルエンザの迅速 検査とタミフルなどの抗ウイルス薬による治療が可能となっ た。それを受けて日本政府はインフルエンザの症状があったらすぐに受診することの必要性を国民に訴えた。日本の死亡率が低かったことは、それに応えるだけの医療システムが機能した結果だったといえる。

 ≪日本の生活習慣が生きた≫

 人類はその発生のときから、自然をコントロー ルすることで文明を発展させてきた。火の扱いを会得し、植物や動物を飼いならすことで農耕と牧畜という生産手段を手に入れることに成功した。だが長いこと手 に負えなかったのが、かつては「伝染病」と呼ばれたインフルエンザなど感染症を引き起こすウイルスとの戦いである。

 姿を見せないウイルスという敵を倒すためにワクチンが開発されるが、新型インフルエンザで日本人の衛生意識の高さが有効であることも実証された。

 子供たちの間での流行を抑えるため、徹底した学校閉鎖が実施される一方、かかった時に外出を控えた人が多かったこと、そして外出する時には他人に感染させないためにマスクを着用するという配慮も効果があったと思われる。そして、もう一つ考えられるの が、私が子供だった50年ほど前までは生活習慣だった「うがいと手洗い」である。

 感染症の怖ろしさが減少するにつれて生活の場から消えて いった「うがいと手洗い」を多くの人が積極的に行ったことが有効だった可能性がある。結果論で政府の対策を批判するよりも、新型の流行を教訓にして、近い将来必ず起きるだろう鳥に由来する強毒性の新型インフルエンザに対する対策を考えることが大切である。

                    ◇

 4月19日掲載された正論「学力テストはやはり全校参加に」で大学センター試験の 問題と正解を間違えるミスをいたしました。多くの読者にご迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。今後はより一層の研鑽(けんさん)を積み、厳し い姿勢で執筆に取り組むことをお約束いたします。本当に申し訳ございませんでした。(なかはら ひでおみ)

-------------------------(以上引用終わり)----------------------


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