米原油流出 悲しきペリカンの楽園 世代超え、生態系に悪影響 [環境問題]
米南部ルイジアナ州南端のグランド・アイル島の近くに浮かぶ小さな無人島。地元の漁民たちには「猫島」と呼ばれているが、同州の州鳥、カッショクペリカ
ンが卵を産み育てる。島を訪れた6月初旬は、その季節だ。
しかし、ここから130キロ以上離れたメキシコ湾の海底に沈む英メジャー(国際石油資本)BPの石油掘削施設「ディープ・ウオーター・ホライゾン」から
噴出した原油が漂着している。島は、油の侵入を食い止めるためオレンジ色の浮きで囲まれているが、土や草はどす黒い色に変わっている。
カッ・カッ・カッ・カッ…。聞こえてくる鳴き声は、茂みの中にある巣のひな鳥らしい。親が餌の小魚を運んでくるのを待っているのだろう。「悲しい光景
だ」。ボートで案内してくれた漁師のトーマス・ピーターさん(34)がつぶやいた。
周辺の海上には、焦げ茶、赤、黒と層状になった原油が漂っている。原油は、海面で次々と化学反応を起こし、毒性を強めていくという。
ペリカンは、史上最悪の環境汚染となった原油流出事故の犠牲の象徴だ。油にまみれて身動きできなくなったペリカンは、陸上の救出施設に運ばれ、ボラン
ティアによって洗浄されて戻されている。
しかし、ペリカンたちは、汚れた海に潜って汚染された餌をとり、また油まみれになって島に戻る。結果的に巣や卵は油にまみれる。専門家は食物連鎖に異変
が起きる可能性を危ぶむ。
「身の毛もよだつ事態だ。多くの卵やひな鳥が死ぬだろう。海洋の野生生物への悪影響が世代を超えて続いていく」。ルイジアナ州立大の海洋環境学者、エ
ド・オバートン教授は憤る。
しかも、海底で噴出された原油が何らかの化学反応で水中で分解し、「Plume(水煙)」のように海中で広がっている可能性が研究によって明らかになり
つつある。であれば、「原油は海面に浮くだけでなく、深海の生態系にも被害を及ぼす」(オバートン教授)ということにもなる。
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Latest Stories によれば、一見博愛的行為的に見える救出はペリカンを苦しめるだけに終わる確率が高いという・・・( ̄. ̄;)エット( ̄。 ̄;)アノォ( ̄- ̄;)ンー
事故の状況はこんな感じ ρ(・・。) コレ
BP社の石油掘削施設「Deepwater Horizon」が沈没し、地下と海上を繋ぐ油とガスの噴出経路となっていたRiserとDrill Pipeが外れ、海底に横たわっている。
本来、BOP(防噴装置)はフェイルセーフ構造になっており、リグからのコントロール(電気的、圧力的な独立したライン)を失えば、自動的に井戸元を遮断するように出来ている。しかし、この事故では、それが機能していない。
井戸元の周りを、ROV(遠隔操作無人探査機)が取り囲んでいる。遠隔操作で動くこのROV(遠隔操作無人探査機)によってBOP(防噴装置)を直接作動させ、井戸元からの流出を止めようとしたが、これは失敗。何故かBOP(防噴装置)は以前として機能しない。
油は合計三箇所から流出を続けている。この図が正確であるとすると、Riserの上端、その手前の折れた部分、そして井戸根元付近の三箇所から流出中。BP社のプレスリリースに寄れば、後にこの内の一ヶ所を、ROV(遠隔操作無人探査機)によって閉じることに成功。流出箇所は二箇所へ)
図中左側、別のSemi-sub型リグDevelopment Driller Ⅲが、リリーフ井(Relief
Well)を掘削している。この井戸は、横川から油が噴出している油層に直接掘り込み、セメントを圧入して流出を抑えるというもの。既に掘削を開始しているが、ターゲットに到達するまでは60日から90日かかる見通し。
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